IDOL : 真っ白なキャンバス

左から麦田ひかる、三浦菜々子、小野寺梓、
橋本美桜、浜辺ゆりな、鈴木えま

今年2枚目のシングルとなる「Bye My Summer」をリリースした真っ白なキャンバス。全国ツアーに初海外の台湾遠征も行い、結成5年を経て上り調子な活動が目につく。12月には日比谷野音でのワンマンも控える中、グループの裏事情から展望まで聞いた。控えめな印象はありつつ、静かな決意も垣間見えた。（西野千明は活動休止中で欠席）

台湾で占いをしたら“下の下”と出ました

――楽天市場でお買い物をしたことのあるメンバーはいますか？

小野寺: イベントで自分たちで衣装を用意しないといけないときに、買ったりします。ハロウィンでチャイナみたいな服とか注文しました。
麦田: 私はアプリに入れていて、犬のカーペットとか香水とか、いろいろ買っています。

――ありがとうございます！　白キャンは今年、シングルリリースにツアーと精力的に活動していて、台湾遠征もありました。思い出もできましたか？

小野寺: 台湾でファンの方たちと観光地を回って、雰囲気の良いお寺で占いをしました。ヤバいのが出た人もいたよね？
橋本: 私は“下下”というのが出ました。下の下、みたいな(笑)。
三浦: 私も下下でした。一番悪いやつ。
橋本: “訴訟に勝てない”と書いてありましたけど、別に訴えることもないし(笑)。“病が治らない”というのも、治ったので大丈夫です！
浜辺: 『千と千尋の神隠し』と似ている九份にも行きました。雨予報だったのにめっちゃ晴れて、景色がすごく良かったです。
小野寺: ただ、臭豆腐の臭いが結構キツかった(笑)。
鈴木: 初めて足つぼ（マッサージ）を受けて、すごく痛かったです(笑)。でも、体が軽くなりました。

遠征のホテルで部屋を開けられるまで寝ていて(笑)

――遠征で泊まりだと、朝起きられないメンバーはいませんか？

橋本: 前は部屋から出てこなくて、起こしに行くことがありました(笑)。やったことがあるのは、今日いない（西野）千明と、えまちゃんとひかるちゃん。
鈴木: 寝てました(笑)。
麦田: 部屋がガチャッと開いて、目覚めました(笑)。
橋本: たぶんプロデューサーがホテルの人にカギで開けてもらったんです。「早く準備しろ！」って、めっちゃ怒っていました(笑)。
小野寺: 最近はないね。
橋本: ないのが当たり前だけどね(笑)。
小野寺: 部屋を散らかしちゃう子ときれい好きな子がいます。
橋本: きれい好きは千明と菜々子くらいじゃない？
三浦: 美桜は違うの？
橋本: 私は水場をきれいに使えなくて。私とひかるが中間、他の3人が最悪(笑)。
浜辺: この前、その3人で同じ部屋になったときは凄かったね。気づいたら、みんなの荷物がゴチャゴチャになっていて、「やっぱり散らかしちゃうね」って(笑)。
小野寺: 前日になっても片づけない。
浜辺: 出発当日にギリギリで片します(笑)。
小野寺: えまちゃんは床に落としたハムまで放置していて(笑)。
橋本: それは拾ってほしいわ(笑)。
鈴木: もう帰るときだったので、どうせホテルの人が掃除するから、拾わなくていいかなと……。
橋本: 良くないから(笑)！

アイドルでなかったら夏は外に出ません

――ニューシングルの「Bye My Summer」がリリースされましたが、夏は好きな季節ですか？

小野寺: アイドルは夏に楽しいイベントがいっぱいあるので、好きですね。野外ライブで「夏だな」って感じがします。
浜辺: 私は天気で気持ちが上下しちゃうんですけど、夏はすごく晴れているから、あまり落ち込むことがありません。
橋本: 私も夏は好きですけど、好きでないメンバーもいます。
三浦: 夏は暑すぎて、生きていくのが大変な感じがします(笑)。ただ立っているだけでも体力が奪われて、歩くのも疲れてしまって、食欲もなくなって。なのに野外ライブが多いから、本当にキツくて。アイドルでなかったら、夏は絶対に外に出ません！

――部屋で何をするんですか？

三浦: 中学の夏休みは、私は早めに高校が決まっていたんですけど、みんなは受験勉強で遊んでもらえなくて。クーラーの効いた部屋で、ずっと甲子園の高校野球を観てました(笑)。第1試合から第4試合まで終わって、陽が沈んできたら買い物に行ってました。
鈴木: 夏は食欲がなくなってしまいます。熱い食べ物はそそられないし、好きな焼肉も夏は何か違うかなって。最近はお菓子ばかり食べています。
麦田: 駄菓子を食べているよね(笑)。

三浦菜々子（みうら・ななこ）　9月16日生まれ

MVで隠していたおでこが見えてしまって

――「Bye My Summer」のMVでは、屋上で楽しげに水を掛け合っています。

小野寺: 撮った日は寒くて、結構ブルブルでした。
浜辺: 私は水がめっちゃ好きで、楽しかったです。

――ゆりなさんはバケツの水をぶちまけてました。

浜辺: いっぱい水を掛けました。最初はみんな、かわいくやってましたけど、最後のほうは頭の上からバケツでバシャーン、みたいな(笑)。メイクはほぼ落ちて、すっぴんになっていました。

――梓さんもホースを振り回していました。

小野寺: 白キャンのMVはメンバーが出るところが少ないから、かわいく映りたかったのに、隠していたおでこがめっちゃ見えていて、ちょっと悲しかったです(笑)。

――それはそれで評判です。

小野寺: 確かに、いいと言ってもらいました。

――今出たように、今回のMVもドラマ的なパートは役者さんが演じていますが、皆さんはそういう作りをどう受け止めていますか？

小野寺: 世界観やメッセージ性を大事にしているのはわかりますけど、梓はもっと映りたいです(笑)。
橋本: 私はメンバーがもっと出るMVがあってもいいと思いますけど、自分がすごく映りたいわけではありません。

――あのMVみたいに、屋上で牛乳を飲んだり、落書きをしたことはありますか？

浜辺: 実際はたいていの学校は、屋上に入れないんですよね。
橋本: 白キャンはそこまではしゃぐ人たちではない気がします(笑)。水を掛け合って遊んだりは絶対しないですね。

小野寺梓（おのでら・あずさ）　8月8日生まれ

プールに入る撮影は怖くてずっと爪先立ちでした

――今回、アーティスト写真も衣装のままプールに入っています。

三浦: あのときも寒かった。
橋本: 6月だっけ？
麦田: 梅雨だった。
浜辺: しかも、大雨の日で。
橋本: あの日は特別に寒かった気がする。ひたすら耐える時間でした(笑)。最初、プールに浸かると聞いたときはウソだと思いましたけど、気づいたら本当に水の中にいて。

――なかなかない体験ですよね？

橋本: 最初は楽しかったけど、だんだん笑えなくなるくらい寒くなって(笑)。
三浦: みんなの顔色が悪くなっていく(笑)。
麦田: 私はプールで泳ぐのは好きです。
橋本: ひかるちゃん、怒られてなかった？　ゆりなもそうだったけど、胸より上は濡れたらダメなのに、濡れすぎていて。
麦田: 泳いでしまって(笑)。
浜辺: はしゃいでしまいました(笑)。

――そういう気持ち良さもあったと。

小野寺: 梓はプール自体、あまり入ったことがなかったので。学校にプールがなくて、ここまで水に浸かるのは初体験。めっちゃ怖かったです。だから、ずっとつま先立ちをしていて、写真だと1人だけ大きいんですよね(笑)。上半身がまったく濡れませんでした。
浜辺: プールを出たあと、ジャグジーみたいなところに温水を入れてもらって、ギューギューになりながら温まりました。入ってこない子もいたけど。
橋本: 虫がいたからね。
小野寺: 温まってほしいから「虫、いないよ」と言ったんですけど、来なかった。
橋本: だって、いるのを見たから(笑)。

1人で花火をするのが好きなんです

――この曲を歌っていて、蘇る夏の思い出もありますか？

浜辺: よく花火をしていました。友だちと海のほうに行ったり、近くの公園でやったり。
橋本: 私も花火は好きです。でも、わざわざ集まるのもダルいから、線香花火を買って、1人で公園でやっていました。人が見たら寂しい子に思われそうですけど(笑)、自分ではめちゃめちゃ楽しかったです。1人が好きなので。
麦田: 小学生の頃、学校でお祭りがあって、甚兵衛を来て行った思い出が今蘇りました。花火は嫌いで避けてきたんですけど、去年の白キャンの河口湖フリーライブで大丈夫になりました。
鈴木: 小さい頃は地元のお祭りに行って、メロンパンを食べてました(笑)。
三浦: 私も小学生の頃は、みんなで水風船とかして遊んでましたけど、中学から仕事を始めて、夏は忙しかったんです。学校が休みの期間こそ働くので。だから、遠出とかできませんでした。生まれが新潟で、昔は長岡の花火大会は見に行ってましたけど、だいたい8月の頭にやるんですよね。アイドルになってからはTIFがあって、何年も行けてません。でも、去年の河口湖で何年かぶりに打ち上げ花火を見て、思い出になりました。

――こういうメロコア系のロックは皆さんの好みですか？

橋本: 白キャンは楽曲の幅が広くて、私的に嫌いな曲はないです。普段聴いているのはコレサワさんやヨルシカさんです。
小野寺: 音楽的に何がどういうジャンルか、よくわからなくて。普段はアイドルの曲ばかり聴いています。最近はFRUITS ZIPPERさんやノイミー（≠ME）さんが好きです。
鈴木: 私はボカロやVチューバ―さん、「歌ってみた」の歌い手さんを聴くことが多いです。

鈴木えま（すずき・えま）　2月9日生まれ

2人にしか出せない空気を感じました

――今回のシングルには、ひかるさん＆えまさんのむぎえまの「プロテア」も収録されました。他のメンバーはどんな印象がありますか？

三浦: ふわふわした世界観がすごいなと。白キャンとは全然違う、2人にしか出せない空気を感じます。
小野寺: 2人の声質と曲が合っていて。
浜辺: MVがめちゃかわいいです。

――2人はやっぱり、思い入れが強い曲ですか？

鈴木: 最初もらったときはK-POPっぽかったんです。譜割りとか語尾とか。それを変えてもらいました。
麦田: 要望を結構取り入れてくれて。私は何も要望していませんけど(笑)。

――＜君のそのクセが好き＞というフレーズもありますが、何かクセのあるメンバーはいますか？

小野寺: ひかるちゃんは、メンバーの肌にちょっとできものがあると、絶対「オイラックスあるよ」と言います。
三浦: それってクセなの(笑)？
橋本: オススメの薬なんだよね。
麦田: 小さい頃から使ってました。今日も持ってきてます。クセといえば、菜々子ちゃんは歌っているとき、手が恐竜みたいになります(笑)。
三浦: マイクを持ってないほうの手がダランとなってるらしくて、ティラノザウルスと言われました(笑)。

麦田ひかる（むぎた・ひかる）　6月14日生まれ

浮気してもすぐ帰ってきてもらえたら

――梓さんのソロ曲「くるくる愛して」も収録されました。今までは非公式だったんですよね？

小野寺: いつかの誕生日のとき、「プレゼントでソロ曲が欲しい」と話して作ってもらったんですけど、「白キャンの曲ではないから」と言われていました。それが今回、シングルに入れてもらって、公式になって。音楽アプリで“小野寺梓”で検索すると、出てくるのが嬉しいです。

――こちらでは＜たまには浮気もいいよ　でもね最後は戻って来てね＞と歌っています。そこはどう思いますか？

小野寺: 最後よりは、もうちょっと早く戻ってきて欲しいです(笑)。ちょっと浮気しても、すぐ帰ってきてもらえたら。

――とりあえずは許すと。

小野寺: 昔は無理でしたけど、ちょっと大人になりました(笑)。

――ファンの方の推し変も許してあげるわけですか？

小野寺: 大きな心で(笑)。ファンの人の幸せを願うようになったんです。前は自分のことばかり考えていて「何や！」となっていましたけど、その人が幸せになってくれたほうがいいなと。でも、絶対に戻ってきてほしいです。
浜辺: 私は飽きられてしまったら、仕方ないなと思います。自分がもの足りなかったんだと、飽きられないように頑張ります。

浜辺ゆりな（はまべ・ゆりな）　2月25日生まれ

野外がすごく合うと言われます

――12月には日比谷野音での6周年ワンマンも控えていますが、今のグループの状況は良い感じですか？

橋本: 7月のミニライブから野外のフェスが多くて。ファンの人たちは「白キャンと野外はすごく合う」と言ってくださって、夏はみんな楽しそうで嬉しいです。冬の日比谷も野外なので盛り上げます！
三浦: 私も冬なら野外も大丈夫です(笑)。寒いのも苦手ですけど、踊ったら暖かくなるので、ちょうどいいかな。

――5周年ワンマンのタイトルにあった「希望、挫折、驚嘆、絶望、感謝」は、結成から1年ごとを表していたんですよね？　今の6年目は漢字2文字だと何になりますか？

三浦: めっちゃ難しい。
麦田: 感謝の次は“感激”？
小野寺: 自分的には千明の活動休止が大きくて。今までそういうことがなかったんですけど、逆にみんなで支え合って“団結”したイメージがあります。そこに千明が復帰したので、さらにパワーアップできたらいいなと思います。

――“絶望”を越えて生まれたものもありましたか？

三浦: 私たちは別に絶望していません(笑)。
小野寺: コロナのこと？
橋本: ライブができないのは辛かったです。できるようになっても、ファンの人たちは声を出せないから、ステージとフロアが別々な感じがして。今、声が出せるようになって思い返すと、寂しい時期でしたね。
鈴木: 私たちが戻ってきて、一発目のライブは声出しができなくて。
麦田: お客さんがいるのに声が聞こえないのは初めてでした。
鈴木: 変な感じがしたし、ちょっと寂しくて。
麦田: マスクで表情が見えないのも怖かったです(笑)。
橋本: もう声出し解禁して1年くらい経ったから、みんなも慣れてきて、声量が戻ってきて嬉しいです。

橋本美桜（はしもと・みお）　7月26日生まれ

コロナ禍でも諦めずに生き抜いてきましたから

――白キャンは幕張メッセでのライブを目標にしているんですよね。

小野寺: グループとしてはそうですね。私は日本武道館に立ちたいです。
鈴木: 私も武道館がいい。
橋本: アイドルさんの武道館コンサートを観させていただいたりしてます。
小野寺: みんなで観に行ったのは、ニジマス（26時のマスカレイド）さん。
浜辺: 私は乃木坂46さんを観に行ったことがあります。

――そういうのを観ると、自分たちもあのステージに立ちたいと？

橋本: 大きいステージに見合うグループになりたいです。

――アイドル界でより高みを目指していくわけですね。

橋本: 強い意志を示すのは苦手なグループですけど、私たちはコロナ禍を耐えて、諦めずに生き抜いてきましたから。
小野寺: 今、勢いのあるアイドルさんって、コロナ以降にできたグループが多いですけど、私たちはコロナ前からやってきているので。だからこそ、アイドル界を引っ張っていけるように、頑張っていきたいです。

Text／斉藤貴志
Photo／ノリスケ

INFORMATION

真っ白なキャンバス

ＣＤ情報

「Bye My Summer」

TypeA　1200円（税込） CD
TypeB　1200円（税込） CD
TypeC　1200円（税込） CD

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