ラジオやCD等の「音」のみの収録では、常に質の高い「オーケストラとしての音(音質はもちろん呼吸・バランスなども)」が求められます。
そんなシビアでタイトなレコーディングをこなしている本楽団の演奏はもちろん折り紙付き。
今回の来日ではドイツ三大B(バッハ/ベートーヴェン/ブラームス)の作品がそれぞれ楽しめるのも、魅力。ここでは、2つの交響曲の魅力をご紹介します。
「ダダダダーン」のフレーズであまりに有名なシンフォニー。このフレーズ最大のポイントはズバリ“頭の休符“(※譜例①)。1拍目に音がなく、その裏拍から演奏がスタートするため、指揮者はオーケストラへの合図として1拍目を大きく空振りします《まさにここが必見!》! そして楽団員もこの瞬間に全神経を尖らせます。それによって1拍目の休符に莫大なエネルギーが生じるのです。音が鳴らないこの一瞬ですが、”生“でしか体験できない瞬間です。手に汗握る緊張の瞬間をぜひ、オーケストラと一緒に体験してみてください!
ベートーヴェン交響曲第9番に続く第10番とも呼ばれる名曲。ブラームスは楽聖ベートーヴェンを尊敬するあまり、この作品の完成に20年以上を費やしました。 (通常交響曲の作曲は数カ月~数年。) この作品で特におすすめは2楽章最後のヴァイオリン・ソロの部分。無論ヴァイオリン・ソロは大注目ですが、よく聴いて欲しいのは一緒にメロディーを奏でるホルンとオーボエ。どこまでも遠く響いていくような夢見るホルンが「広がり」を、天上から伸びる一条の光のようなオーボエが「高さ」を…宇宙のような広大な“空間“を音で描きます。しかし結局のところ、難しいことは考えず、そのあまりに美しい音空間に意識を投げ出し、全身でヴァイオリン・ホルン・オーボエが創り出すハーモニーを愉しんでいただくのが一番だと思います。
今回マイヤースが演奏するメンデルスゾーンの協奏曲は、楽譜を見れば一目瞭然、音の並びが至ってシンプル。ただし、このあまりにシンプルで甘美かつ叙情的な旋律を「聴かせる」のは、至難の業。その点に置いてマイヤースには十分に期待できる。ピュアな音色、深く詩的な解釈そして気品溢れる演奏…というマイヤースの持つ魅力は、この曲でこそ存分に発揮されるだろう!
ストラディバリウスをも超える名器
「ヴァイオリンにおけるモナ・リザ」
今回マイヤースが使用する楽器、1741年製のグァルネリ・デル・ジェス「ヴュータン」は、ストラディバリ「レディ・ブラント」を超える史上最高額(正確な金額は不明だが少なくとも16億円以上)で取引された名器で、「ヴァイオリンにおけるモナ・リザ」とも呼ばれているとか…。
MDRライプツィヒ放送交響楽団
日時 | 2019/10/29(火) 開場18:30 開演19:00 |
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会場 |
[東京] すみだトリフォニーホール 大ホール |
出演者 | クリスチャン・ヤルヴィ(指揮) |
プログラム |
ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調「運命」Op.67 |
料金 |
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