「『STOMP』は毎回、新鮮で発見の連続」
日本人ストンパー櫻井多美衣が語る

身の回りのものがエネルギッシュなリズムを奏でる！イギリスから始まり、ニューヨークのオフ・ブロードウェイにて29年にわたり上演された『STOMP』がこの夏、13年ぶりに来日する。1991年にエジンバラで初演し、瞬く間に批評家たちの絶賛を浴びた『STOMP』。1994年にはロンドンにあるダンスの殿堂サドラーズ・ウェルズで上演され、オリヴィエ賞最優秀振付賞を受賞。同年ニューヨーク公演が始まり、今年1月まで30年近く続いた伝説のショーだ。

日本人ストンパー（STOMPER＝『STOMP』の演者）が櫻井多美衣。幼少の頃から祖父であるトランペッター&タップダンサー日野敏にタップダンスを習い、16歳で単身ニューヨークへ。そこで出会ったのが『STOMP』だ。

「ニューヨークで師事した先生の何人かがストンパーをやられていて、私も公演を観に行ったんです。そうしたら本当に楽しくて、すっかり夢中になりました。私にもできるんじゃないか、やりたいなって。そこで18歳の時に初めてオーディションを受けて、ようやく受かったのが4回目、26歳の頃。応募者がとても多く、全盛期はニューヨークのブロックを1周するぐらい並んでいました。ストンパーは皆、『STOMP』のファンなんですよ」

6〜8週間のトレーニングを経て、2016年に念願のストンパーとしてデビュー。それから活動を続けている。『STOMP』とはズバリどんな作品なのか。

「日常の音がリズムとなり音楽になる。そこに振付やユーモアを加えたライブエンターテインメントが『STOMP』です。奏でるのは、バケツ、デッキブラシ、ゴミ箱、ビニール袋、タイヤ、マッチ箱、スーツケースなど。クリエイターたちがこの音にはこのリズムと緻密に計算して作っており、奏で踊る私たちも日々発見の連続です」

ステージに登場するパフォーマーは8人。国籍もキャリアも様々で、櫻井のようなタップダンサー、コンテンポラリーダンスやアフリカ系のダンサー、マーチングバンドのドラマーなど。彼らの息の合ったステージは圧巻で、櫻井自身、8年ストンパーをやりながら飽きることがないと言う。

「大きな音やリズムが鳴る、パワフルな曲は『STOMP』の醍醐味。特に最後のナンバーはセットを全て使い全員でやるのでダイナミックです。逆に、マッチ箱とライターなど小さいものを使うナンバーも面白いです。ショーは観客のノリやメンバーによっても変わります。最初と最後だけ決まっていて中盤は即興という曲もあり、ストンパーは遊び心が旺盛。「今日はここ早めに」とか、いきなり「あなたソロやって！」とステージ上で指示が出るのは日常茶飯事（笑）。特にベテランは観客の反応を見てどんどん変えますから。ストンパーの経験と好奇心、楽しもうという思いがこのショーを創っていると感じます」

今回、渋谷の駅前にある東急シアターオーブでの公演となる。

「大きな空間で、大勢のお客様の前でパフォーマンスできるのが楽しみです。お客様とエネルギーを交換しながら、豊かでパワフルな音世界を分かち合いたい」

ノンストップ100分の元気と希望、笑いに満ちたライブショー、ぜひ体験してほしい。

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