IDOL LIVE : #ババババンビ

ワンマンライブ「#バンビの野望」
2022年10月21日
東京・中野サンプラザ

「顔面最強アイドル」「日本一運がないアイドル」「TIFで最も応援されたアイドル」など、多くの称号を持つ「#ババババンビ」。岸みゆ、水湊みお、吉沢朱音、小鳥遊るい、池田メルダ、近藤沙瑛子、宇咲からなる七人のアイドルグループで、「馬鹿騒ぎ」をコンセプトにすえたライブは大盛況だ。また、7人揃って週刊誌で表紙を飾るほどの人気っぷりだ。活動初期はコロナ禍のため、デビューライブの中止という不運に見舞われ、無観客ライブをはじめ多くの逆境を乗り越え、TOKYO IDOL FESTIVAL 2022での「TIFアイドル総選挙」で見事第1位を獲得。今一番躍進している注目のアイドルグループだ。
そんな、#ババババンビによるワンマンライブ「#バンビの野望」が10月21日東京・中野サンプラザで行われた。アイドルの聖地と呼ばれるステージに立ち、ビジュアルだけでなく、実力あるパフォーマンスと「馬鹿騒ぎ」に相応しいこの日だけの楽曲やコラボレーション、現地で見ることができた#ババババンビのライブの魅力をレポートする。
ライブ当日、会場では13時から、ロビーではファンクラブ会員向けのFCブースが用意されていた。同じ事務所のアイドルグループもこの日のためにスタッフとして協力しており、ファンと同様にこの会場でライブが開催できる喜びを分かち合っていたようだ。19時から始まるライブの前には囲み取材の時間が用意され、多くのメディアが集まった。また、関係者席には多くの関係者が応援に駆けつけ、ファンからだけでなく業界からの注目度の高さもうかがえた。 今回のライブチケットは完売。13台のカメラによる配信も用意された。また、新たな試みとしてカメラチケット(通称カメコ席)が用意されており、指定座席からの撮影が可能になった。まだまだライブ中の声出しを解禁できない状態が続く中、ファンだけが知るその日の彼女たちの輝きや魅力を記録し応援できるのは素敵な仕組みだ。
会場に入ると、7色に光るステージ、7つの山台(平台)が置かれた舞台装置が用意されており、立体感のあるパフォーマンスへの期待が高まる。ムービングライトが会場とステージを照らし、OVERTUREでは格闘家・角田信朗による語りとともにメンバーの名前が読み上げられ、山台に登場。メンバー一人一人にスポットライトがあたる一連の照明演出だけでも、この日のライブクオリティの高さがわかってしまう。 ステージ中央に集まると右手を高く揚げ、バンビポーズのハンドサインを掲げ、客席のファンたちもそれに応じた。 1曲目、イントロがアレンジされた「ばばばばんびずむ~!」を披露、曲中銀テープが舞い、楽しいライブの幕が開を予感させた。外の寒さも忘れる爽やかさと熱を感じる空間がすでに出来上がっていた。ファン達も声を出せない分手振りを合わせて一緒に踊り、会場を盛り上げていた。ステージにある2つのスクリーンには、会場の盛り上がりと各メンバーの顔のアップが同時に映し出され、距離感を意識せずライブを楽しむことができたメンバーも。 4曲目のネモフィラBLUEでは3人が中央高台に集まり力強い歌唱力を披露。客席からも思わず、おぉ、と声が出るのが聞こえる。歌っている時だけでなく、フォーメーションで見せる後ろ姿からもオーラが見えてくるのは会場で見るからこそかもしれない。
最初のMCでは自己紹介、それぞれが独特の自己紹介をし、特に吉沢 朱音は、中野サンプラザに住みたい、2階席をロフトにする、と発言し、ファンとメンバーを驚かせた。続いて吹奏楽部出身の小鳥遊るいが楽しみにしていたという4名の管楽器隊が登場。楽器隊へのコールアンドレスポンスを行い、メンバーとの掛け合いのシーンも見られた。
5曲目「パーティ!」ではブラスバンドの演奏により一気にグルーブ感が高まる。ミラーボールも回り始め、ディスコやキャバレーのような大人っぽさ、力強さを感じる。ステージでのメンバー同士のアイコンタクト、会場から手拍子が自然に起こるなど、会場はハッピーな雰囲気に包まれはじめた。続いての「なんたって冒険中!」では客席も大きく揺れ、馬鹿騒ぎの名の通りに楽しんでいた。7曲目「とぅまっそ」では、337拍子の煽りにあわせてゲストが登場。アクセルジルガーマン、山田ホアニータ、Sasha B Savannah、アマゾネス・ダイアンの4人のドラァグクイーンとともにパフォーマンスやショートコントなども始まり、先の展開が読めないサプライズとなった。カバー楽曲「バンビーナ」では、この曲のみ客席から撮影OKとアナウンスがなされ、管楽器隊、ドラァグクイーン、#ババババンビによる、この日だけの豪華なコラボを目にも耳にもカメラにも残すことができた。 145mの岸みゆとヒール込み2m越えののドラァグクイーンが並ぶと、その身長差にどよめきが起きた。
そして「星形」「常勝MY GAME」「マイノリティ」のメドレーが始まる。エレクトロとロック調にリミックスされた曲に、さっきまでの雰囲気から一転、鋭いかっこよさを感じさせる。ホームラン予告やステージに炎が上がる演出、元NMB48の日下このみに振り付けてもらった。ダンスパートなど、バカ騒ぎだけでなく魅せるパフォーマンスもしっかり用意して実力を見せつけた。 ここからの曲は#ババババンビの歴史や想いが見える、と始まった「Clover」「4060」はスクリーンにリリックビデオが流れ、スモークの中でのパフォーマンス。曲のテンションが変わっても、パフォーマンスは変わらず全力で、歌詞にある60%の水が汗としてにじんでいる顔は美しく見えた。「アイノハナ」では一人一人からファンへのメッセージが語られ、エモさのある演出に心を奪われた人も多いのではないだろうか。
暗転してドキュメンタリー映像が流れはじめ、レコーディングシーンやインタビューで、これまでの苦難や悩み、メンバーそれぞれの想いが語られた。これまでの道のりを振り返って、#ババババンビがこのステージに立っているというストーリーは、ファンでなくとも感動や衝撃を感じる。
映像が終わる頃にステージ両わきに和太鼓がセットされ、パフォーマンスが始まった。 和太鼓とコラボした「無重力ランナー」は三味線と和太鼓とEDMがリミックスされた楽曲で、マイクを左右に持ち帰る振り付けは意外と難易度が高いのではないか。スクリーンに映し出される和太鼓奏者の背中の筋肉とアイドル。何を見せられているのか理解に時間はかかったが、お囃子によるお祭り感が会場のテンションを一気に引き上げていった。 「うましか超!」ではファンコット調の楽曲に、歌舞伎の見得から三つ指をつくところまで遊び心あふれる振り付けで、天井知らずでテンションを上げていく。「カノン」は和太鼓のビートとの相性の良さが際立っていた。歌詞のカラフルさと舞台照明のカラフルさがシンクロし、海外でも人気が出そうな和のパフォーマンスだった。
MCパートでは、サミーが開発中のパチンコ「いくさの子」と#ババババンビの新曲のタイアップが発表された。「いくさの子」は織田信長の若い時代を描いた作品でタイアップ第1弾はケツメイシ、第2弾は#ババババンビと、いう豪華なラインナップだ。 初披露された新曲「DE・A・RU・KA!!! 」は織田信長の時代を生きた女性と自分たちを重ね合わせた歌詞だという。三つ指ついてのスタートから、ステージにスパークル(火花)の演出。変拍子の入ったトリッキーな楽曲は飽きがこないため、長く聴き続けても耳心地が良く、まさにタイアップにふさわしい楽曲だ。
歌い終えた後、メンバーも「パチンコをした事はないが、マナーやルールを学んでいってみたい。」と意気込み、活躍の幅も広がりそうだ。「織田信長さんを見習って天下統一を目指す#ババババンビでありたい。」とバンビの野望にふさわしい目標を語っていた。
「青春ギルティ」「キスしてほしい」「ハナビガタリ」と、疾走感のある楽曲を歌い上げる。花火模様がステージカーテンに映し出され、メンバーの手を下から上にあげる振り付けにシンクロしてサイリウムを上げる客席は、本当に花火が上がっているようだった。 ステージ上から記念写真を撮る時も、メンバーの足がつるハプニングがあり、全力でステージを作り上げてきたことがうかがえた。
そしてアンコールのタイミングで映像が映し出され、2023年4大都市公演が発表。 愛知県 3/18(土) 名古屋DIAMOND HALL 大阪府 3/19(日) 大阪なんばhatch 福岡県 3/26(日) Zepp Fukuoka 東京都 4/8(土)TOKYO DOME CITY HALL (TDCH) と、さらに大きな挑戦にファン達も喜んでいた。
衣装を変えて登場し、「私心伝心」からアンコールがスタート。7人揃ってのヘドバンは迫力があった。最後の曲「ティーンエイジャー・シンドローム」を全力で歌い終え、改めて挨拶。涙ながらに「今日の大切な1日を一緒に過ごしてくれたファン達が誇りです。これからも#ババババンビでできるところまで突っ走っていきたいと思っています。よろしくお願いします」「素敵な景色を見せてくれて、素敵な時間を共有してくれてありがとうございます。バンビの野望をこれからも見届けてください」とライブを締めた。

セットリスト

  • ばばばばんびずむ~!
  • 恋のキャンディ
  • 恋するうさぎちゃん最強伝説
  • ネモフィラBLUE
  • パーティ!
  • なんたって冒険中!
  • とぅまっそ
  • バンビーナ
  • 常勝マイゲーム
  • 星形
  • マイノリティ
  • Clover
  • 4060
  • アイノハナ
  • 無重力ランナー
  • うましか超!
  • カノン
  • DE・A・RU・KA!!!
  • 青春ギルティ
  • キスしてほしい
  • ハナビガタリ
  • 私心伝心
  • ティーンエイジャー・シンドローム